会社員しながら毎日読書してます。masaです。
今回紹介する本は、
- 日本全国の伝統工芸を詳しく知りたい
- 文化の変化について知りたい
という人におすすめの内容になっています。
本書は戦時中に執筆され、日本全国の伝統工芸品を紹介する、
というあるようでなかった本です。
現在では無くなってしまった品物も紹介されており、
とても貴重な一冊です。
それではさっそく紹介していきます。
ざっくりと『手仕事の日本』はこんな内容
- 日本全国の手仕事による品物が紹介されている
- 手仕事の日本地図、索引、小間絵があってわかりやすい
- 柳が全国を旅行して品物を実際に見ている
- 戦時中に書かれた
- 単なる記録ではなく柳の主観によって評価されている
- 品物の由来やその地域のことも詳しく書かれている
- 品物の美とは
簡単な著者紹介
柳宗悦(1889〜1961)は日本の美術評論家、宗教哲学者、思想家であり、民藝運動の主唱者です。
民藝運動とは、手仕事によって生み出された日常使いの雑器に美を見出そうとする運動です。
まさに本書の主題です。
柳は武者小路実篤、志賀直哉らと交流があったようです。
『手仕事の日本』の他にも、『民藝四十年』が有名です。
『手仕事の日本』から得た学び
- 品物の美とは
- 手仕事が必要な理由
- 品物のことをもっと知りたいなら
品物の美とは
工藝の美しさは当然どんな性質のものでなければならないでしょうか。どんな美しさが、品物の持つべきはずの美しさなのでしょうか。それは結局「健康」の二字に尽きるでありましょう。
引用:手仕事の日本
品物の美しさとは「健康」であること、
つまり実用的であることです。
人間が健康でなければ働くことができないのと同様に、
品物も健康でなければなりません。
すなわち、丈夫であること、使いやすいこと、使い勝手がいいことを意味します。
派手なもの、扱いづらいものは実用的とは言えません。
また、健康とは自然が欲している一番素直な状態であると説いています。
学び
美しさとは「健康」であること
手仕事が必要な理由
なぜ機械仕事と共に手仕事が必要なのでありましょうか。機械に依らなければ出来ない品物があると共に、機械では生まれないものが数々あるわけであります。凡てを機会に任せてしまうと、第一に国民的な特色あるものが乏しくなってきます。機械は世界のものを共通にしてしまう傾きがあります。それに残念なことに、機械はとかく利得のために用いられるので、出来る品物が粗末になりがちであります。それに人間が機械に使われてしまうためか、働く人からとかく悦びを奪ってしまいます。
引用:手仕事の日本
機械仕事は大量生産を可能にしますが、デメリットもあります。
それは出来る品物が粗末になること、働く人から喜びを奪ってしまうことです。
これが国民的な特色をダメにしてしまいます。
また、手仕事の方が良い品物が作れます。
利益を得るために全てを機械生産にするのではなく、
文化を守るために手仕事も大切にすべきだと説いています。
品物のことをもっと知りたいなら
さて今や旅を終えて、それらの固有な手仕事を見るにつけ、色々省みねばならぬことがあるのを気附きます。ただ郷土的なものであるとか特色あるものであるとかいう判断で終ってよいものでありましょうか。私たちはもう少し深く立ち入って、何がそれらのものに正しさや美しさを与えているのかを見極めねばなりません。
引用:手仕事の日本
柳は、品物の特徴をまとめるだけにとどまらず、
品物の正しさや美しさがどこから発生しているのかを述べています。
それを考察する上で、下記の3つのことが大切であると説いています。
- 品物を作った人たちのこと
- 品物が持っている性質のこと
- 品物が持つ美しさのこと
その他の学び
『手仕事の日本』では他にも、
- 「清貧」の徳
- 文化のあるべき姿
- 歴史とは
といった学びを得ることができます。
ご自身の住んでいる地域の品物を読むだけでも十分おもしろいので
ぜひ手にとって読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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