会社員しながら毎日読書してます。masaです。
今回紹介する本は、
- 生きることにちょっと疲れた
- 人生を見つめ直したい
- 日本の古典を読んで情緒を感じたい
- 簡単な古典を読みたい
という人におすすめの内容になっています。
方丈記は『徒然草』『枕草子』とともに、日本三大随筆と並び称されています。
それではさっそく紹介していきます。
『方丈記』はこんな内容
- 鎌倉時代に執筆された
- 世の中の無常観を説いている
- 火災・飢饉・大地震など、鎌倉時代は災害の多い時代だった
- 人の世は生きづらい
- 本文の現代語訳だけで30ページ未満
簡単な著者紹介
鴨長明は、平安〜鎌倉時代の僧侶です。
和歌や楽器にも秀でた人物で、多くの歌集にも選ばれています。
長明の生涯のことを知っておくと方丈記の理解も深まると思うので軽く触れておきます!
鴨長明の生涯
長明は京都の賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ:現在の下鴨神社)の禰宜(ねぎ:神社の中でも偉いポジション。神事を統括する。)である鴨長継の次男として生まれました。
賀茂御祖神社は京都の有名な神社の一つです
当時の神社は現在よりも強い権力を持っていたため、長明はいわゆるエリートで裕福な家庭で育ったわけです。
順調にいけば安定した将来が約束されていました。
しかし、大きな力を持った父が亡くなったことで長明は後ろ盾がなくなってしまい、残念なことに身内の妨害によって出世の道が途絶えてしまいます。
そこで長明は神事よりも和歌に力を注ぐことにしました。
和歌の才能は世間にも認められ、様々な歌集に選出されました。
また、勅撰集(ちょくせんしゅう:天皇や上皇の命令によって作られる歌集)の編纂メンバーにも選ばれ、その活動にも真面目に取り組みました。
ここで長明の働きぶりを見た後鳥羽院(当時の天皇)は、河合神社(賀茂御祖神社の摂社)の禰宜のポジションに欠員が出たために、そのポジションに長明を推薦しました。
長明もこれには大変喜びました。
ですがまたしても身内の妨害によって、推薦の話は無かったことになってしまい、神職としての出世の道は途絶えてしまいました。
これによってさすがの長明も世間に愛想を尽かしてしまい、俗世から離れるようにして出家するに至りました。
旅に出たり、山奥に庵を作ったりして自由気ままに暮らしました。
この庵の名前を方丈庵と言います。
方丈記は長明が出家したのちに、方丈庵で書かれたのであります。
『方丈記』から得た学び
- 有名な序文「ゆく川の流れは絶えずして」
- 人の世はとかく生きづらい
- 心の安定が人生を充実にする
有名な序文「ゆく川の流れは絶えずして」
(本文)
ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
(現代語訳)
流れて行く川の流れは絶えないのであるが、しかし、その川の流れをなしている水は刻々に移って、もとの水ではないのだ。
引用:方丈記
方丈記の有名な序文、
「ゆく川の流れは絶えずして」
聞いたことがある人は多いと思います。
世の中のものは全て常に変化し、留まることはありません。
この事実を知っているだけで物事に必要以上に執着することはなくなるでしょう。
方丈記では全体を通してこの無常観が流れています。
人の世はとかく生きづらい
(本文)
また、いきほひあるものは貪欲ふかく、独身なるものは、人にかろめらる。財あれば、おそれ多く、貧しければ、うらみ切なり。人を頼めば、身、他の有なり。人をはぐくめば、心、恩愛につかはる。世にしたがへば、身、くるし。したがはねば、狂せるに似たり。
(現代語訳)
また、権力のあるものは、欲が深いし、身よりのないものは、他人から軽く見られる。財産があれば、心配が多いし、貧乏なら、人をうらやむ心が強いというぐあいだ。他人にたよると、自分が自分のものではなく、他人の所有になってしまう。他人を世話すると、その人に対する愛情にひかれて、心の自由を保つことができなくなる。世間のしきたりにしたがえば、自主性を失って、窮屈だ。したがわなければ、非常識な狂人みたいに見られる。
引用:方丈記
どのような状況でも必ず心配事はある、ということを教えてくれています。
確かに、世の中にはまったく心配事のない人間はいないように思います。
僕はこの文章を読んで、今の状況を必要以上に心配しなくていいんだなと思えるようになりました。
「世の中は生きづらいんだな」と、
肯定してあげることで逆に心が軽くなる人もいるのではないでしょうか。
心の安定が人生を充実にする
(本文)
それ、三界は、ただ心一つなり。心、もし安からずは、象馬・七珍もよしなく、宮殿・楼閣も望みなし。
(現代語訳)
いったい、三界といわれる人間の世界は、ただ心の持ちよう次第のものだ。心が、もし安定していなければ、象馬とか七珍とかいわれる宝も、なんの役にもたたないし、宮殿や楼閣のような建物も、あったって仕方がない。
引用:方丈記
人生の浮き沈みを経験した長明だからこそ、
「人生は心の持ちようである」
という言葉には説得力があります。
生きづらい世の中だからこそ、心の持ちようによって
楽しくもなれるし悲しくもなれるということですね。
どんな状況であっても幸・不幸を決めるのはいつも「心」です。
その他の学び
- 人の暮らしに必要なもの
- 人の気分とは
- 長明の本音
現代語訳であれば30ページ程しかありませんので、古典初心者でも簡単に読めます。
ぜひ手に取って読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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