会社員しながら毎日読書してます。masaです。
今回紹介する本は、
- 生物がなんなのかを違う角度から考えてみたい
- 理系分野に興味がある
- さらに踏み込んで、量子力学に興味がある
という人におすすめの内容になっています。
物理学を中心に話が展開していきますが、わかりやすい言葉で説明されているので、
理系科目が苦手な人でも読み進めることができると思います。
それではさっそく紹介していきます。
シュレーディンガーの『生命とは何か』はこんな内容
- 生命の本質を物理学的に考察
- 生命の特徴や生命現象の基本原理
- 遺伝情報の伝達
- 生命とエントロピー
- あとがき含めて約200ページ
ふらっと立ち寄った本屋で、タイトルと著者に惹かれて買った一冊です。
生化学の観点から研究や考察されることの多い『生命』についてを、この本では物理学の視点から考察していきます。
僕の勝手なイメージですが、量子力学というのは原子を扱う学問なのでどこか無機質な感じがあります。
そんな無機質さを持った原子が無数に組み合わさって”生命”が形作られています。
これを量子力学を用いてどのように紐解いていくのかがとても気になりました。
というわけで、まずは簡単に著者を紹介していきます!
簡単な著者紹介
シュレーディンガーは、オーストリアの物理学者です。
波動力学、量子力学における第一人者であり、1933年にノーベル物理学賞を受賞しています。
物理や化学を学んだことのある人は、シュレーディンガーの方程式というのを聞いたことがあると思います。
※量子力学:原子や分子レベルのミクロな物における力学
シュレーディンガーの方程式
見慣れない文字が並んでいますが、ざっくり説明すると時間変化による量子の状態を決定する方程式です。
量子力学は難しくてわけがわからないので、詳しい説明はここでは省きます。m(_ _)m
興味を持った人のためにWikipediaのリンクを載せておきます。↓
学び1:発想の転換
原子はなぜそんなに小さいのか?
そもそも、原子というものは実際まったく小さなものです。われわれが日常生活で取り扱うものは、どんな小さな一片の物質でも、とほうもなく多数の原子を含んでいます。(中略)かくして、われわれの問いの本当の目的は、二つの長さーーーわれわれの身体の大きさと原子の大きさーーーの比にあることが見究められたのですから、独立的な存在としての原子の方が文句なしに先であることを考えると、先ほどの問いは、本当は次のようになります。われわれの身体は原子にくらべて、なぜ、そんなに大きくなければならないでしょうか?と。
引用:生命とは何か
物理学的に生物を考えるとき、僕たちは”あまりにも小さな原子のサイズ”に注目してしまいがちですが、今回の目的は『生命とは何か?』と考えることにあります。
この世の中のすべてのものは無数の原子が集合して形作られています。
僕たち人間の体は、骨・筋肉・臓器・皮膚・髪などが無数の原子によって形作られています。
なぜそれぞれ役割を持ってこんなにも秩序立った構造になっているのかを知るために、
僕たちの身体は目に見えないほど小さな原子と比べてなぜこんなにも大きいのかを考えなければなりません。
これが、物理学的に生命とは何かを考える上での出発点となります。
無数の原子が集合して、肉体と意志を持った存在が出来上がるのは、なんとも不思議です。知的好奇心が刺激されます。
学び2:原子は常に動いている
生物体は比較的粗大な構造をもっていなければ、内的な生活と外界との交渉との双方において、かなり判然とした法則の恩恵を蒙ることができないことがわかるでしょう。なぜなら、もしそうでなくて、参与する粒子の数が少なすぎたなら、「法則」は不精密になりすぎてしまいます。
引用:生命とは何か
原子は放っておいても勝手に運動している(例:ブラウン運動、拡散)ので、仮に生命体が極小な構造であれば他の原子から簡単に影響を受けてしまい、安定することができません。
ブラウン運動…液体や気体中に浮遊する微粒子が、不規則に運動する現象。
拡散…粒子や熱などが、物理的に散らばり、広がっていく現象。(例:煙突から出る煙、水に溶かした砂糖)
そのため、生命体を維持するためには、ある程度の大きさが必要になります。
ポイントは、原子は常に運動しており、他の原子と常に相互作用しているということです。
学び3:生命体をエントロピーで説明
生物体は「負のエントロピー」を食べて生きている
生物体というものがはなはだ不思議にみえるのは、急速に崩壊してもはや自分の力では動けない「平衡」の状態になることを免れているからです。
引用:生命とは何か
エントロピーとは、物や環境の乱雑さを表す値です。
身近な例を挙げると、整理整頓された(秩序がとれた)部屋はエントロピーが小さい、散らかった(無秩序な)部屋はエントロピーが大きいと表現します。
また、熱力学の第二法則として、エントロピーの原理があります。
これは、放っておくと時間が経つほどにエントロピーは増大していく(無秩序になっていく)という法則です。
整理整頓された部屋も、毎日使っていると散らかっていく、というイメージでOKです。
”負のエントロピー”とは、より秩序が取れた状態、
”正のエントロピー”とは、より無秩序な状態を意味します。
すなわち、生命体におけるエントロピーの最大とは、”死”を意味します。
シュレーディンガーは、負のエントロピーを摂り続けることで、生命体は維持されていると説明しています。
だんだんと話が難しくなってきましたね。。。
生物体が生きるために食べるのは負エントロピーなのです。このことをもう少し逆説らしくなくいうならば、物質代謝の本質は、生物体が生きているときにはどうしてもつくり出さざるをえないエントロピーを全部うまい具合に外へ棄てるということにあります。
引用:生命とは何か
まとめ:シュレーディンガーの『生命とは何か』をぜひ読んでみてください!
本書のエピローグでは、シュレーディンガーの思想にも触れることができます。
本文では科学的なことを説きながらも、最後には科学者が何を考えて生きているかを知ることができるとても味わい深い一冊だと思います。
気になった方はぜひ手に取って読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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