【名著】これが全力で生きた人間の死生観。『留魂録』吉田松陰 感想・レビュー

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ahamo

こんにちは、masaです。

毎日の読書が趣味です。

江戸時代の頃の本もなかなかおもしろいです。

今回の記事は、

  • 毎日全力で生きているのになかなか報われない
  • やりたいことがあるけどあと一歩踏み出せないでいる
  • これからの進路に悩んでいる

という人におすすめの内容になっています。

それではさっそく紹介していきます。

目次

吉田松陰の『留魂録』はこんな内容

  • 江戸時代の後期の本
  • 吉田松陰が処刑される前に獄中で執筆した
  • 主に松下村塾の門下生に向けて書かれた
  • 吉田松陰の死生観が書かれている

簡単な著者紹介

吉田松陰 ー Wikipedia

吉田松陰は、江戸時代の思想家、教育家です。

松下村塾で講師をつとめ、幕末に活躍する数々の志士たち(高杉晋作、久坂玄瑞など)に影響を与えた人物です。

吉田松陰には数々の驚くような逸話があるので、エピソードを簡単に紹介します。

エピソード1:東北旅行のために脱藩

吉田松陰は、友人の宮部鼎蔵らと東北旅行を計画するも、予定していた出発日までに通行手形の発行が間に合いませんでした。

当時は藩の外に出るときは旅行許可が必要で、無許可で外出すると厳しく罰せられます。(無許可だと、亡命・脱藩という扱いになってしまう)

しかしここで松陰は、友との約束のために無許可で出発してしまいました。

東北旅行を満喫したあと、松陰は罪に問われ、士籍剥奪・家禄没収の処分を受けたのでした。

エピソード2:ペリーの黒船で密出国を図るも、失敗

黒船 ー Wikipedia

1853年、浦賀沖にペリーの黒船が来航します。

この頃、松陰は24歳です。

幕府はペリーの恫喝におびえ、日米和親条約(日本に不利な条約)を締結してしまいます。

松陰は、外国と戦わずして屈してしまった幕府に失望し、もはや江戸にいても仕方がないと考えました。

そこで、見聞を広めるために黒船に乗って外国に密出国しようとしましたがこれが失敗してしまいます。

結局松陰は幕府に捕まり、投獄されてしまったのでした。

学び1:どんな人生にも四季がある

 私は三十歳で生を終わろうとしている。いまだ一つも成し遂げることがなく、このまま死ぬのは、これまでの働きによって育てた穀物が花を咲かせず、実をつけなかったことに似ているから惜しむべきかもしれない。だが、私自身について考えれば、やはり花咲き実りを迎えたときなのである。

引用:留魂録

松陰は、人の寿命を四季に当てはめ、思いを巡らせています。

つまりどんな人生であっても、種をまき、苗を育て、花が咲き実りを迎えるものであるということです。

十歳で死ぬ者にはその十歳の中に四季がある。二十歳で死ぬ者にはその二十歳の中に四季がある。

寿命が長いとか短いとかを考えても仕方がない。

死はいつやってくるかなんて誰にもわかりません。

松陰は三十歳で人生を終えるのですが、死の間際に、人間の生死について悟ったようです。

学び2:後悔しない選択肢をとれ

 唐の段秀実は、郭曦(郭晞)には誠意を尽くし、朱泚には激烈に対して殺された。英雄は時と所によって、それにふさわしい態度をとった。大事なことは、おのれをかえりみて疚しくない人格を養うことだろう。そして相手をよく知り、機を見るということもよく考えておかなければいけない。私の人間としての在り方がよいか悪いかは、棺の蓋をおおった後、歴史の判断にゆだねるしかない。

(注)段秀実…唐の人。字は成公。徳宗のとき司農卿となる。顕官郭子儀の子郭晞が父の威を借り乱暴なふるまいがあるので、秀実は諄々とこれをさとして改心させた。また朱泚が謀叛をくわだてたとき秀実に加担をさそいかけたが、彼はその牙笏を奪って撃ち面罵した。このために殺された。

引用:留魂録

人は、時間がたった後に自分を省みて恥ずかしくないような行動をしていくべきであり、

また、相手の性質を捉え、タイミングを見計らって行動することの大切さを説いています。

松陰自身、藩の規則を破ってでも自分が正しいと思ったこと(もちろん、人に危害を加える方法ではなく、道徳に従って行動した)を貫いてきた人物であります。

松陰は、自身や他人の経験から「時と所によって、それにふさわしい態度」をとるべきだと獄中で学んだようです。

学び3:徳に従って、自分の生き様を貫く

 聞くところによると、薩摩の日下部伊三次は、取り調べのとき当今の幕政の欠陥を徹底的に論じ立て、「こんなことでは幕府の安泰も三年か五年程度しか保てまい」と言ったために役人は激怒した。しかも日下部はさらに「これで死刑になっても悔いることはない」と言ってのけた。私などには遠く及ばないところだ。

引用:留魂録

松陰は、日下部の徳に従って自分の思いを貫く生き様に感服しています。

これで死刑になっても悔いることはない

という、死を受け入れる姿勢は、

まるで死刑を言い渡されるときのソクラテスのようです。

獄中での松陰は、幕吏に対して日下部と同様な態度をとっています。

まとめ:吉田松陰の『留魂録』をぜひ読んでみてください!

本書には、人生を力強く生き抜くための言葉がたくさん描かれています。

吉田松陰の真っ直ぐな生き方には、魂を揺さぶられるようなエネルギーを感じます。

この記事を読んで興味を持った人はぜひ手に取って読んでみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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