【名著】心にゆとりを与えてくれる一冊『徒然草』兼好法師 感想・レビュー

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会社員しながら毎日読書してます。masaです。

今回の記事は、

  • 徒然草から何が学べるのか知りたい
  • 学生のときに習ったことを思い出したい
  • 徒然草を読んだ個人の感想が知りたい

という人におすすめの内容です。

僕は高校生の頃に徒然草を習って、

  • 「丹波に出雲といふ所あり」
  • 「或る人、弓射ることをならふに」

をやったことを覚えています。

しかし徒然草自体は「なんか日本で有名な古典らしい、、、」という認識しかありませんでした。

なので改めて全文を読んでみて、けっこうおもしろかったので記事にしてみました。

目次

『徒然草』はこんな人におすすめ

  • ブログ・エッセイが好きな人
  • 日本の古典に触れてみたい人
  • 日本の風情を感じたい人
  • 日々の暮らしにストレスがたまっている人

それでは、まずは『徒然草』がどんな本なのか説明していきます。

『徒然草』について

徒然草は鎌倉時代末期に兼好法師によって書かれた随筆集です。

日本三大随筆のひとつといわれ、清少納言の『枕草子』鴨長明の『方丈記』と並び称されています。

兼好法師 ー Wikipedia

鎌倉時代は疫病・大地震・飢饉・元寇など数々の災害に見舞われました。

また兼好法師自身、出世の道が断たれてしまったこともあり、世の中には自分の力ではどうにもならないことがあると知り、出家するに至りました。

そして兼好法師は自由に生きることを望んだので、どの宗派にも属しませんでした。

時には旅に出たり、のんびり静かに暮らしたりして自由気ままに生きました。

このような背景があり、『徒然草』には「自由さ」や「無常観」が根底に流れています。

さらに兼好法師は知識人として有名であり、和歌に秀でた風流な人物でした。

徒然草には風流を感じる箇所や、風流について言及している箇所がたくさんあります。

『徒然草』から得た学び

  • 物の楽しみ方
  • 時間の有効的な使い方
  • 学び方
  • 時間は待ってくれない
  • 風情を感じる瞬間

物の楽しみ方

 花はさかりに、月はくまなきをのみ見るものかは。雨に対いて月を恋ひ、たれこめて春の行方知らぬも、なほあはれに情深し。咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見どころ多けれ。

 

(現代語訳) (観桜・観月も、)何もわざわざ満開の花盛り、澄み渡った月ばかりを見て楽しむはずのものとは限らない。雨の降るのに対して月が見えたらと懐かしく思い、家に引き籠ったままで春の暮れてゆくのを知らないでいるのも、やはり趣深くしみじみと感じられるものだ。花の咲きそうなころあいの梢や、散りしおれている庭なども、見る価値の多いものだ。

引用:徒然草

満開の桜や雲ひとつないときの月はたしかに美しいですが、満開でないときの桜や雲に隠れてしまっている月もまた違った趣があって良いと言っています。

例えばつぼみの桜を見て、もうすぐ花咲くためのエネルギーを放出しようとしている瞬間を感じたり、散ってしまった桜を見て「今年の桜もよかったな。散ってしまったのは惜しいけど、また来年見られるのが楽しみだ」と思ったりするのもおもしろいです。

「満開は終わってしまった。残念だ。」と思うだけでは桜を充分に楽しんでいるとは言えないですね。

物そのものだけでなく、

  • 物からなにを感じるのか
  • 物がこれからどうなっていくのか
  • 物が周りに与える影響
  • 物が人に対してどのような気持ちにさせてくれるのか

などのいろいろな視点をもつと楽しみ方を増やすことができると教えてくれます。

学び

物だけでなく、心情にも焦点を当てる・メタ視点を持つ

技を習得したいなら

 天下の物の上手といへども、始は不堪の聞えもあり、無下の瑕瑾もありき。されどもその人、道のおきて正しく、これを重くして放埒せざれば、世の博士にて、万人の師となること、諸道かはるべからず。

 

(現代語訳) 天下に聞こえた芸能の達人でも、初めのうちは不器用な評判があったり、ひどい欠点もあったのだ。だが、その人がその道の規則を正しく守り、これを重んじて勝手な振る舞いをしないで(精進すると、)結局は世の大家として万人の師となることは、どの道においてもかわるはずのものではない。

引用:徒然草

人知れず努力してから成果を出そうとしている人ほどなかなかうまくいかないことが多い気がします。

それよりも、初めから上手い人たちの中に混ざって取り組むのが一番成長が速いです。

外野からの評価を気にせず、平気で上手な人の中に混ざって教えを守りながら熱心に取り組む人は才能がなくてもいずれ大きな力をつけることができる、と兼好法師は説いています。

たしかに成長するのが速い人の近くにはいつも上級者がいます、、、!

masa

うまくいかない人ってこっそり俺流でやっていることが多いかも、、、

学び 

成長スピード≒環境×努力×メンタル

時間を有効に使いたいなら

 筆をとれば物書かれ、楽器をとれば音をたてむと思ふ。盃をとれば酒を思ひ、賽をとれば攤うたむことを思ふ。心は必ず事にふれて来る。かりにも不善の戯れをなすべからず。

 

(現代語訳) 筆を手に取るとしぜん物を書く気になり、楽器を持つと音を立てようと思う。盃を持つと酒を思い、賽を持つと双六をやろうと思う。心は必ず物事に関係して起こる。だから仮にもよくない戯れをしてはならない。

引用:徒然草

「なんとなくスマホを触ったらいつのまにか1時間くらいYouTubeを見ていた!」

なんて経験がみなさんにもあると思います。

時間を浪費しないためには誘惑になるものを視界に入れないようにすべきだということがわかります。

逆に人間のこの特性をうまく利用することができそうです。

教科書や参考書をスマホ代わりに持ち歩けば自然と勉強するようになるでしょう。

masa

(というか、鎌倉時代にはすでに双六があったんだ!)

学び 

結局のところ、ちょっと一杯ってのが大甘なのよ、、、!(賭博破戒録カイジ 『班長』大槻のセリフ)

時間は待ってくれない

 大事を思ひ立たむ人は、避りがたく、心にかからむことの本意を遂げずしてさながら捨つべきなり。

 

(現代語訳) 仏道修行という一大事を決意する人は、棄てにくく、常に心にかかる目的を達しようなどとしないで、思いきってそのまま棄てなくてはならないのだ。

引用:徒然草

やるべきこと、やりたいことを見つけたとき、あれこれ理由をつけて先延ばしにせず、今すぐに取り組みなさいと説いています。

「世間の目が気になるから」「お金がないから」「親がうるさいから」「今はまだ自信がないから」などと言っているうちに、どんどん先延ばしにされいつまでたっても行動に移すことができません。

兼好法師は「火事」を例にしています。

 近き火などに逃ぐる人は、しばしとやいふ。身を助けむとすれば、恥をも顧みず、財をも捨ててのがれさるぞかし。命は人を待つものかは。無常の来ることは、水火の攻むるよりも速かに、のがれがたきものを、その時、老いたる親、いときなき子、君の恩、人の情、捨てがたしとてすてざらむや。

 

(現代語訳) 近所の火事などで逃げる人は、ちょっと待ってくれなどというかどうか。自身を助けようとすると、恥をもかまわないで、財宝をも棄てて逃げ去るよりほかはない。同様に、命は人を待っていてくれるか、どうか。無常、すなわち死がやって来ることは、水火の攻め寄せてくるよりも速やかであって、逃げにくいものだのに、そのときに至って、年とった親、幼い子供、君の恩、人の情、これらが棄てにくいといって、棄てないでおくことができようか。

引用:徒然草
masa

やりたいことがあるなら、今すぐ行動です!

学び 

自分のために時間を使おう

風情を感じる瞬間

 折節の移りかはるこそ、ものごとにあはれなれ。

 もののあはれは秋こそまされと人ごとにいふめれど、それもさるものにて、今一きは心もうきたつものは、春の気色にこそあめれ。鳥の声なども、ことの外に春めきて、のどやかなる日影に墻根の草萌えいづる頃より、やや春深く霞みわたりて、花もやうやうけしきだつ程こそあれ、折しも雨風うち続きて、心あわたたしく散り過ぎぬ。

 

(現代語訳) 季節の移りかわるのは、何ごとにつけても趣の深いものだ。

 「しみじみとして趣の深いのは、秋がいちばんまさっている」と、誰でもいうようだが、それもなるほど一応はもっともなこととして、もういちだんと心が浮きたつのは春の景色であるようだ。鳥の声などもことのほかに春めいて、のんびりとした日の光を受けて、垣根の草が芽を吹くころから、ようやく春が深まって霞みわたり、花もどうやら咲きかけようとする折も折、ちょうど雨風が続いて、気ぜわしなく散ってしまう。

引用:徒然草

この段落は春夏秋冬の順でそれぞれの季節の趣を語っています。

紹介したのは段落の冒頭部分で、春の趣についてです。

ここを読むだけで兼好法師がとても風流な人物であることがわかります。

masa

こういった、風情のある文章を読むととても穏やかな気分になります。

学び 

これこそ「もののあはれ

その他の学び

さすが日本三大随筆と呼ばれるだけあって、多くの学びがありました。

  • 人が失敗するとき
  • 人生で本当に大切にすべきもの
  • 人の才能について
  • 友にすべき人

などなど

今回紹介したこと以外にも、面白い逸話がたくさんあるのでぜひ手に取って読んでみてください!

今とは時代がかなり違うので「?」となることがたまにありますが、それもまた一興です。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

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