会社員しながら毎日読書してます。masaです。
今回の記事は、
- 『代表的日本人』から何が学べるのか知りたい
- 『代表的日本人』を読んだ個人の感想が知りたい
- というか『代表的日本人』ってどんな本なの?
という人におすすめの内容です。
相当な読書好きじゃないと知らない本なんじゃないかなと思います。
サッカー日本代表!みたいなポップな内容ではなく、
著者の内村鑑三目線で、
特に徳が高く、多くの人々の暮らしに貢献した日本人、自分の生き様を貫いた日本人
が紹介されています。
200ページ未満の薄い本なので、読書初心者にもおすすめです。
『代表的日本人』はこんな人におすすめ
- 「徳」とは何か知りたい人
- 生き様を模索している人
- 物事を成し遂げる人物とはどんな人かを知りたい人
それでは、まずは『代表的日本人』がどんな本なのか説明していきます。
『代表的日本人』について
著者の内村鑑三について
内村鑑三は日本の文学者であり、キリスト教徒です。
日本独特のキリスト教信仰のあり方である「無教会主義」を唱えたとして有名です。
※無教会主義・・・教会よりもキリストの十字架の方が大切であるとして、キリスト教を信仰するのに教会は必要ないという立場のことです。
『代表的日本人』では内村の視点から5人の日本人が紹介されています。
内村は、自身が信仰するキリスト教よりも偉大な人物が日本にいることを見出し、
外国向けに本書を執筆しました。
わが国民の持つ長所ーー私どもにあるとされがちな無批判な忠誠心や血なまぐさい愛国心とは別のものーーを外の世界に知らせる一助となることが、おそらく外国語による私の最後の書物となる本書の目的であります。
引用:代表的日本人
内村がキリスト教徒であり外国向けの本であることから、キリスト教の用語や西洋での例えが頻繁に出てきますが、
キリスト教のことを知らなくても十分理解できるので問題ありません。
内容全体の雰囲気
本書では下記の5人が紹介されています。
- 西郷隆盛(さいごうたかもり)
- 上杉鷹山(うえすぎようざん)
- 二宮尊徳(にのみやそんとく)
- 中江藤樹(なかえとうじゅ)
- 日蓮上人(にちれんしょうにん)
登場人物の時代背景→生い立ち→功績→内村による人物評
の順でそれぞれ書かれています。
この5人には、
- 真面目で勤勉
- 民のために生きる
- 地味で簡素な生活
といった道徳的な偉大さや、
”これだ”と決めたらそれをやり通す意志力
が共通して書かれています。
最も注目すべきなのは、登場人物たちは人々や自分自身を観察するときに
才能やスキルよりも徳を重視したということです。
また、登場人物たちに徳が備わっていなかったならば
彼らは偉大な功績を成し遂げることはできなかったでしょう。
『徳』に注目して読んでみてください!
『代表的日本人』から得た学び
5人それぞれ1つずつ学びを紹介していきます。
- 西郷隆盛:技術よりも人物
- 上杉鷹山:まずは自分が動く
- 二宮尊徳:貧困は自力で立ち直す
- 中江藤樹:徳と人格を重んじよ
- 日蓮上人:不屈の勇気と忍耐を持て
西郷隆盛:技術よりも人物
「どんなに方法や制度のことを論じようとも、それを動かす人がいなければ駄目である。まず人物、次が手段のはたらきである。人物こそ第一の宝であり、我々はみな人物になるように心がけなくてはならない」
引用:代表的日本人
西郷は、
「技術を磨くより先に人物(人間の内面、心)を磨く方が大切である」
と説いています。
技術を極めていても人物が伴っていなければその技術を正しく扱うことができません。
人物ができていれば善悪の判断や正義が正しく理解できるので、
技術も正しく扱うことができます。
内村は、西郷から多くの徳を見出しましたが、
特にこの「人物を磨く」ことに着目しました。
悲しいことに、今の日本の教育は人物を育てるよりも技術を伸ばすことばかりに注力しています
上杉鷹山:まずは自分が動く
上杉鷹山は米沢藩(現在の山形県東南部)の藩主です。
鷹山は、財政難により崩壊しかけていた藩を徳の力によって蘇らせることに成功させました。
「民の幸福は治者の幸福である」
として、問題の解決のために変革を起こしました。
鷹山個人の生活
- 贅沢は一切しない
- 食事は一汁一菜をこえない
- 毎年の自分の手当(報酬)を半分にした
- 倹約によって貯まった貯金は藩の負債の返済にあてた
- 適材適所で人を登用した
- これらを16年間続けた
などなど
これらをまずは鷹山自身が示すことで藩全体に倹約をうながし、
鷹山は藩主らしい贅沢をまったくせず、藩復活のため、民のために倹約し続けました。
変革は、他人を待つのでなく、まず自分から始めなくてはなりません。
引用:代表的日本人
他人に変わってもらうことばかり考えていても何も変わらないということですね
二宮尊徳:貧困は自力で立ち直す
二宮尊徳とは、言わずと知れた二宮金次郎のことです。
尊徳とは、徳を尊ぶ人を意味します。
尊徳は模範的な倹約家・勤勉家として有名であり、
日本中の小学校に彼の像があることはみなさんご存知だと思います。
農民という低い身分であったのにもかかわらず、
尊徳は持ち前の倹約・勤勉・忍耐力を買われ、江戸幕府の老中に「廃村の再興の指導者」として抜擢されました。
尊徳は、廃村を再興するためには”村人自身が自力で立ち直る必要がある”と考えました。
金銭を与えたり、税を免除する方法では村人は貪欲と怠け癖を引き起こしてしまい、再興することはできないことを知っていました。
そして繁栄の中心には道徳力があり、村人たちに倹約・勤勉・忍耐の徳を身にさせるように励みました。
尊徳は、道徳力を経済改革の要素として重視した結果、多くの廃村を再興することに成功したのです。
仁愛、勤勉、自助ーーこれらの徳を徹底して励行してこそ、村に希望がみられるのです。
引用:代表的日本人
貧困の問題は国や市町村に頼るのではなく、道徳力を鍛えて自力でなんとかすることの大切さに気づかされました
中江藤樹:徳と人格を重んじよ
中江藤樹は江戸時代の陽明学者です。
(陽明学とはざっくり説明すると、実践的な倫理のこと)
中江藤樹は日本における陽明学の祖であり、近江聖人と称されました。
藤樹は「孝(親孝行のこと)」を重んじた人物で、夫に先立たれてしまった母を支えるために
全財産を置き去りにして脱藩し、母と共に暮らしました。
また、名声を好まず(目立つようなことはせず)、困った人がいれば力を貸したり、
藤樹はまさに「人の道」を歩んでいました。
特に弟子に対しては、徳と人格を非常に重んじ、学問と知識を軽く見なしました。
”学者”とは、徳によって与えられる名であって、学識によるのではない。学識は学才であって、生まれつきその才能をもつ人が、学者になることは困難ではない。しかし、いかに学識に秀でていても、徳を欠くなら学者ではない。学識があるだけではただの人である。無学の人でも徳を具えた人は、ただの人ではない。学識はないが学者である。
引用:代表的日本人
「スキルよりも徳が大切」というのは西郷も同じことを言ってますね
日蓮上人:不屈の勇気と忍耐を持て
日蓮上人は鎌倉時代の仏教の僧で、日蓮宗の開祖です。
内村は、日蓮の教えそのものよりも生き様に徳を見出しました。
当時の首都鎌倉での仏教は、
巨大な寺院や華美な僧侶、いたずらな阿弥陀仏への信心に我を忘れる人々など
本来の仏陀の教えとはまったく違うものでした。
その違和感を感じた日蓮は探究のすえ、
経典(法華経)こそ、仏陀の正しい教えであると確信し、これを日本に広めることを決心したのです。
日蓮のすごいところは、
仏教を海外で学んだわけでもなく、頼れる後ろ盾がないにもかかわらず
経典だけを頼りに独力で教えを広めたことです。
世間からの反感が大きかったため流刑になることもありましたが、
日蓮はそれでもまったくあきらめませんでした。
日蓮宗は今なお教えが受け継がれています。
それは、日蓮の不屈の勇気と忍耐があったからでしょう。
「僧は仏の使いである。世と人々を恐れては使命は果たしえない」
引用:代表的日本人
内村は日蓮に「キリストの預言者」と同じものを感じ取ったのでしょうね
その他の学び
日本の偉人が5人も紹介されているということで、学びはとても多いです。
今回紹介した学び以外にも下記の学びがあります。
- 成功する人と失敗する人
- 貯金の使い方
- 英雄とは
- 褒賞を受け取る人物とは
- 徳を高める方法
などなど
徳について知りたい人、徳を身につけたい人は必読の書です。
ぜひ手に取って読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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